令和の始まりに問う/女性天皇は生まれるか?遺伝学的にはあり得ない!

令和の時代が始まりました。

天皇の御譲位のニュースが世界を巡る中、
ニューヨークタイムズなど欧米のマスコミの幾つかは
「雅子妃殿下がなぜ承継の儀式に出席しないのか?」
と疑問を投げかけ、それに乗った国内のマスコミも
愛子内親王殿下を将来の天皇になれるよう皇室典範を改めるべき」
と男女平等を掲げて伝統を見直す動きを促す動きがあります。

令和に改元されて新天皇陛下が即位される前後から、
俄かに週刊誌で秋篠宮皇嗣殿下の記事が多くなったり、
悠仁様の学校に怪しい男が刃物を置きに忍び込んだりと
ご皇室周辺がおめでたいだけでなく、別の意味で
騒がしくなっているように感じませんか。

なにやら愛子様がなぜ次の天皇になれないのか、とか
10数年前の女性天皇待望論が再燃しているように思えます。

悠仁様が生まれてから火が消えたように無くなっていた
女性天皇を待望する動きがまだ残っているのでしょうか。

でも、
新皇后である雅子様愛子内親王様を応援する気持ちや、
男女平等の思想から女性天皇を立てようとするなら
それは大変な間違いなのです。

まず明確にしなければならいことは、
女性天皇女系天皇は違うということ、
もちろん、
男性天皇男系天皇という概念も異なります。

男系、女系とはどういうことか、
遺伝学の、高校で学ぶ一般的な知識を基に考えてみましょう。

人間の遺伝子の染色体は46個あり、
男女の両親から半分の23個ずつ受け継いで
私達の遺伝子情報が形づくられていることは、
ほとんどの人が知っています。

さらに、
性別を決定する性染色体にはX型とY型があり、
この二つの組み合わせがX+Yのときに男性、
X+Xのときに女性が生まれる。
これも常識として知っています。

この2つの知識だけを基に、天皇の皇統を考えてみよう。

両親から23個ずつ=半分ずつの遺伝子を受け継ぐと書きましたが、
では、
子はその祖父母から1/4ずつを均等に受け継ぐか、
というとそうではないのです。

よく考えてみましょう。

祖父母から23個ずつの染色体を等しく受け継いだ父或いは母が、
その子に合計46個の染色体のうち半分の23個を、
その両親である祖父母から均等にその子に引き渡すことが出来るでしょうか?

そもそも23という数が奇数なのだから、2つに均等には分けられない。
1つの生殖細胞が分裂して46個の染色体から23個ずつに別れるとき、
その起源が父方のものと母方のものに等配分することは出来ません。

逆に可能性としては、
一方の親から全てを受け継いでしまうことも
非常に低い確率ではあってもあり得るのです。

ということは、、、、

種の保存本能は人間でなくとも生物ならば何でも持っているが、
例えば、貴方が女性であるなら、
貴方の子孫が数代くだった(進んだ)ときに貴方の子孫が
貴方の遺伝子、染色体を確実に(一つでも)受け継いでいるという保証はないのです。
代が進めば進むほど貴方の遺伝子が残っていない確率は高くなるのです。

これは貴方が男性でも同様なのですが、
男性の場合は46個のうち、一つだけですが、
染色体を代々受け継ぐ可能性があるのです。

それは男子が生まれ続けた場合にのみ起こりえます。
男の子のY性染色体は父親からしか受け継げない。
それは父方の祖父から受け継いだものであなのです。
他からは入りようがありません。

これが「男系」ということなのです。
「男女」で分けるのが聞き辛ければ
「父系」といっても良いでしょう。

つまり、46個の染色体のうち、
性別を決めるY染色体だけは
父系の系統を辿れば、1/46とはいえ、
確実に受け継がれていることが判るのです。

歴史上は推古天皇持統天皇など、
重要な節目に登場する女性天皇がいました。
これら女性天皇が誕生した経緯は政府がまとめてくれた良い資料があります。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/dai3/3siryou3.pdf

読んでいると頭が痛くなりそうな、
しかし、中身の濃い資料ですが、
昔は本当に近親婚が多かったのですね。
いまではさすがに考えられません。

延べ10代、実際には8人いらした女性天皇のうち
6人までは大化の改新の前後、天皇家を支える(操る?)権力者が
蘇我氏から藤原氏に代わっていく途中で誕生しているのですね。

「大化」というのが日本最初の元号であることを思うと
まさに日本の国のかたちがつくられていく途中の話なのです。

現代でも女性が天皇に即位する可能性は否定できません。
しかし、
女性天皇が産んだ子が天皇の地位を継ぐのは
その父親も天皇か、天皇になってもおかしくない皇太子のときだけです。
それ以外の女性天皇は生涯独身を通しています。

恐れながら、仮に愛子様天皇に即位したとして、
皇室外(旧宮家以外)から配偶者を迎えられたとしましょう。
イギリスのエリザベス女王のフィリップ殿下のように、です。

その子はたとえ男の子であっても
今の天皇家のY遺伝子は持ち合わせません。
そうして数代下った後には、今の天皇家とは
遺伝子がすべて入れ替わっている可能性があるのです。

昔の人たちが何故、遺伝学の知識もないのに
皇統を守る手段=父系の天皇を継いでいくこと
を知っていたのかまったく判りません。

でもこれを止めてしまうと
天照大神須佐之男命から続くとされる遺伝子の流れは
もう途絶えてしまうのです。
そして一度途絶えてしまえば、もう元には戻せません。

このことを日本国民は、よーく考えてみるべきだと
私は思います。

 

(余談)

上にリンクを記した女性天皇即位の経緯に出てきますが、

第46代 孝謙天皇淳仁天皇に好意を譲って上皇になられましたが

その後に病気を患った際に弓削 道鏡(ゆげのどうきょう)を重用し

第48代 称徳天皇として再度即位された後もその関係は続きます。

宇佐神宮より「道鏡天皇にすれば天下は泰平になる」と神託があった、

と伝えられたものの、それが偽の信託だと和気清麻呂によって暴かれる、

という、いわゆる「宇佐八幡宮神託事件」がありました。

詳しい経緯は諸説あるようですが、

道鏡称徳天皇に取り入って天皇位を簒奪しようとしたことは

ほぼ間違いない事実でしょう。

結局、称徳天皇は生涯独身のまま崩御されます。

もし称徳天皇が老いた身で道鏡と結婚され、

道鏡が次の天皇に即位したとしたらどうなったでしょうか?

 

考えるだけでも恐ろしくありませんか?

道鏡はその後誰かを新皇后として迎え、

その子が天皇を継いだかもしれません。

 

和気清麻呂らは称徳天皇が晩節を汚されることの無きよう、

そして結局は皇統を守ったのです。